2025年2月28日
第2回のコラムになります。
前回お話ししましたように、第2回は’超音波内視鏡’のお話です。
その名の通り、超音波検査と内視鏡検査を組み合わせたハイブリッドな検査です。
通常の超音波検査は、体表にゼリーをぬって、超音波を出す検査機器(プローブといいます)を当てて検査を行います。超音波の跳ね返りを解析することで、プローブを当てた部位の深部の様相が描出されます。
これまで検査経験のある方もいらっしゃるかと思いますが、腹部エコー検査、心エコー検査、乳腺エコー検査、甲状腺エコー検査などがそれにあたります。
’超音波内視鏡検査’に用いる検査機器は、胃カメラの先端にプローブが搭載された特殊な内視鏡で、下の写真のような代物です。

径が太く鎮静下で検査を行う必要性があり、先端に硬いプローブがついているため、挿入にもコツがいります。挿入してからも走査方法に慣れと、得られた画像を的確に解析する診断能力が必要です。ある程度の検査数をこなした熟練の内視鏡医でなければ、安全面や検査の精度面からも十分に扱える代物ではないと思われます。
しかし、CTやMRIでは検出が困難な5mm以下の結石の診断や、10mm以下の膵癌の診断、膵癌のリスクでもある早期慢性膵炎の診断など、胆膵領域の精査にはかかせない内視鏡です。
丹後中央病院では、肝臓から胆汁という消化液を十二指腸に運んでいる総胆管という管に迷入した寄生虫の発見にも寄与しました(下図)。

この検査機器は観察検査のみならず、先ほどの写真のように針を出して操作することができます。この針を使って組織検査をしたり、最近では治療にも有用で、細菌感染によって体内にできた膿を刺すことで体外に膿を出したり、お腹の奥に分布する神経叢に麻酔薬を注入することで、ある疾患で起こる慢性的な腹痛を抑えたりすることができます。
当方も勤務医時代には非常に愛用した検査機器ですが、残念ながらクリニックでは出来ません(涙)。必要と判断させていただいた患者様には、当方が信頼する超音波内視鏡を操ることができる限られた医師をご紹介いたしますので、ご安心ください!
クリニック開院への進捗状況です。



内装工事が次第に仕上がってきました。
残り一か月で皆様をお迎えできる準備を万全に整えます。
体の不具合は起こらないのが一番です。そして、病気にはならないに越したことはありません。そのためにも、大病に備えた予防は必要です。
大病予防のために、当方と当院をお使いいただければ幸いです。