2025年4月02日
長引く咳の患者さまを多くお見受けします。
熱はないけど咳が続く、風邪は治ったけど咳が続く、夜中に咳が出て出だすと止まらなくなる、など
咳症状を訴える方が多い気がします。この時期の咳の診断は非常に難しく、とくに発熱を伴わない場合、感染性かアレルギー性なのかなど、判断が非常に難しいです。
急性咳嗽は3週間未満、慢性咳嗽は8週間以上持続する咳とされており、その間の3-8週間持続する咳嗽は遷延性咳嗽と定義されています。
多くの方は2週間持続すれば、これはおかしいぞと受診されるので、急性あるいは遷延性咳嗽という状態で来院されることになるかと思います。
遷延性咳嗽の原因として、
咳喘息、副鼻腔炎、逆流性食道炎などが挙げられますが、
感染症としては、マイコプラズマや百日咳が挙げられるようです。
百日咳は、ボルデテラ・ペルタシス菌という細菌によって引き起こされる呼吸器感染症で、COVID19と同様の5類感染症に定められます。
感染力は非常に強く、麻疹ウイルスと同程度のようで、飛沫感染で広がっていき、ワクチン未接種の同居家族に感染する可能性が80-90%と高いといわれています。
当方の認識でも、乳幼児の感染症というイメージでしたが、大人の患者さまも増えているとのことで、ここ最近、非常に報告数が増えているようで、早速、勉強いたしました。
感染後の経過は、7-10日間の潜伏期間を経て、感冒症状が現れるカタル期(約2週間)に移行し、その後に咳症状が強い時期、痙咳期(約2-3週間)、回復期(約2-3週間)と経過します。乳幼児は症状が重症化しやすいため、感染予防としてワクチン接種が実施されますが、そのワクチンの効果は10-12年程度で消失するようです。ただ、成人の場合は激しい咳発作は見られないため、長引く咳が特徴の風邪として放置されるケースが多く、自然治癒していくようです。
総括すると、成人でも乳幼児に接する場合は百日咳に罹患すると よろしくないということになります。
成人のワクチン接種についても調べましたが、乳幼児と接する可能性が高い方に推奨とのことで三種混合ワクチンの接種が可能です。
治療については、エリスロマイシンやクラリスロマイシンといったマクロライド系抗生物質が有効とされています。
昨日は開院初日を迎えました。


初日から当クリニックを利用していただいた方、内覧会に来ていただいた方(驚くことに2日間で250名以上の方にお越しいただきました!)、開院をお祝いしていただいた方、本当にありがとうございました。
まだ生まれたてほやほやのクリニックですが、みなさまに御指導いただきながら、成長していき、地域に貢献できる施設となるべく邁進してまいります。
これから、何卒よろしくお願いいたします。