
検査異常(便潜血陽性など)
検査異常(便潜血陽性など)
検査異常とは、医療検査で得られた結果が正常範囲から外れている状態を指します。 ここでの検査異常とは、主には健診異常を指し、血液検査、尿検査、胸部レントゲン検査、胃透視検査、便潜血検査、心電図検査などで指摘された異常所見のことです。 検査結果の異常は、何らかの健康状態の異常や病気の兆候である可能性があり、さらなる診断や治療が必要です。 もちろん、クリニックレベルでは施行できない精密検査もありますので、その場合には精査が可能な高次医療機関へとご紹介いたします。 健康診断で異常が指摘された場合は、なかにはとても重い疾患が潜んでいる場合があります。過去には、自覚症状がないからと放置したことで治癒の機会を逃し、非常に悔やまれていた方も少なからずいらっしゃいました。 検査に不安があれば、当クリニックで検査について説明いたしますので、ご来院ください。
血液検査では、血液中のさまざまな成分(赤血球、白血球、血小板、ヘモグロビン、電解質、肝・膵・筋の酵素など)が測定されます。異常値が見られる場合は、次のような疾患の可能性があります。
白血球は好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球、単球と5種類の血球で構成され、免疫を担っています。高い場合には、主には炎症を意味し、感染症の場合が多いのですが、なかにはアレルギー疾患や膠原病、白血病を含む悪性腫瘍のこともあります。また、内分泌疾患が隠れていることもあります。
血液の赤い色素成分で、酸素を運ぶ重要な役割を担っています。低い場合は貧血という状態です。一概に貧血といっても、機序や病態は異なるため、赤血球になる前の網状赤血球や、赤血球の大きさ、赤血球の素材である鉄成分を調べることで、病態の本質に迫ることができます。逆にヘモグロビンが高い場合は多血という状態です。肥満などによるストレスや、アルコール多飲による循環血症量の減少による多血症、喫煙による低酸素血症、JAK2遺伝子の後天的変異による真性多血症、造血ホルモン産生腫瘍によるものなどが原因としてあります。
血管壁が傷ついたときに、傷口で凝集して止血作用を発揮する細胞です。45万以上の場合に増多症と定義されます。増多症の原因として、90%以上が他の病態によって反応性に上昇する二次性と、血小板自体がクローン性に増える一次性があります。一次性の場合は血栓症のリスクが高いため、抗血小板療法が必要です。15万以下の場合は減少症と定義されます。骨髄疾患や、体内での血小板の破壊や消費が亢進している病態の存在が原因となります。とくに2万以下になると出血リスクが高くなります。
肝臓の損傷や炎症、肝炎、肝硬変、脂肪肝などが疑われます。
何らかの原因によって肝臓に炎症が起こり、肝細胞が壊されてしまう病態のことをいいます。 大きくは、以下の2つに分類されます。
肝機能障害が起きると肝細胞に含まれるALTやASTという酵素が血液中に漏れ出て、血液検査の項目で異常として発見されます。
肝細胞障害型で、
胆汁うっ滞型では、γGTPやALPといった胆道系酵素が上昇しており、原発性胆汁性胆管炎や薬剤性、胆道や胆道が通過する膵臓に病気が見られる場合もあります。 炎症が持続すると肝臓に線維組織が増加し、肝臓が硬くなり肝硬変へと至ります。身体症状がない代償期と症状が現れる非代償期があり、非代償期では黄疸や腹水・浮腫、食道静脈瘤の破裂(吐血)、肝性脳症といった合併症が現れてきます。
腎臓の機能低下が疑われます。 尿検査で尿蛋白/尿クレアチニン比や、血液検査でeGFRという値から評価し、ある基準をこえている場合には、腎臓専門医を受診する必要があります。 当クリニックでは、尿検査や血液検査を施行し、その判断を行います。
空腹時血糖値≧126 あるいは HbA1c≧6.0では精査の対象となります。 特に、空腹時血糖値≧126 あるいは HbA1c≧6.5は糖尿病型であり、糖尿病である可能性が高く、精査が必要です。診断された場合には5-10年以上未来の合併症予防のため血糖コントロールが必要です。 低血糖の場合にはインスリン分泌腫瘍によるインスリン分泌過剰や代謝異常、胃の手術後の影響などが考えられます。
胃透視は食道・胃・十二指腸の内腔表面にバリウムを付着させることで、表面構造や模様の異常から病気の可能性の有無を診断する検査です。 異常を指摘された場合には、食道癌・胃癌・十二指腸癌や、潰瘍、ポリープなど形態変化が目立つものから、慢性胃炎などの表面模様の微妙な変化を指摘される場合もあります。ただ、胃カメラ検査と違い、診断精度はやや低く、組織学的検査ができないため、確定診断ができません。 異常を指摘された場合には、胃カメラ検査を受けて、治療すべき病気があるのかないのかをしっかり診断することが重要です。
血便は消化管のどこかから出血して起こります。胃や十二指腸からの出血では黒っぽい便になりますし、肛門に近い場所から出血している場合には便に鮮血が付着しているように見えます。また、見た目ではわからないほど微量な血液が含まれている場合も血便になります。これは便潜血検査で陽性になってはじめてわかる血便です。
便潜血とは、便に血が混ざっていないか調べる検査です。 食道や胃、腸といった消化管で炎症や潰瘍、ポリープや癌などの腫瘍が生じた場合に、便に血が混じることがあります。 便潜血検査はこのような消化管の病気の有無を推し量るのに有用で、簡易的に行えることから、健康診断や人間ドックでも利用されています。
便潜血検査で陽性になったからといって、必ずしも消化管から出血しているとは断定できません。トイレでいきんだ際に肛門の皮膚が切れる切れ痔(裂肛)で便に血が混じったり、女性の場合、月経血が混入したりすることがあります。 しかし、大腸癌をはじめとする消化管の病気の可能性も高いため、便潜血で陽性が出た場合には精密検査につなげることが大切です。
大腸癌を発見するための検査には、簡便な便潜血検査と、詳しい検査ができる大腸内視鏡検査があります。 便潜血検査は安価で簡便な検査ではありますが、毎年受けた場合には大腸癌による死亡率を60%低減させる有意義な検査であることがわかっています。 厚生労働省のデータでは、便潜血検査を受けた人の約6%が陽性と指摘され、そのうち2.8%で大腸癌を認めたとされています。大腸カメラの検査者の立場からいうと、便潜血検査が陽性の方に大腸カメラを施行しても、大腸癌がみつかることは確かに非常に稀です。しかし、将来的に大腸癌になりえる線腫というポリープは高確率に認められ、切除しています。 大腸癌のリスクが上がりはじめる40歳を超えたら、一度は大腸内視鏡検査を受けることが推奨されています。
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